愛知県名古屋市千種区にあります眼科東山公園クリニックです。
今回のブログ担当は院長の武田🎀です。
 
今年はスギ花粉の飛散が非常に多く、例年よりも花粉症で苦しむ方が多かったです。
やっとスギ花粉がひと段落してきたと思いきや、日本気象協会の予測では、東海地方はそろそろヒノキの飛散が始まるようです。
 
今回はアレルギー性結膜炎(花粉症)とドライアイの関係についてお伝えしたいと思います。
涙は目を覆っていて、乾燥を防いでくれる他に、目の中に入ってきた異物を取り除いてくれる大事な役割があります。
しかしドライアイの目では、花粉などの異物をすぐに涙で洗い流すことができず、花粉が目の表面に長くとどまり炎症が起こりやすくなることがあります。
また、アレルギー性結膜炎(花粉症)では白目とまぶたの裏を指す結膜で炎症が起こっています。
炎症が起こると涙の成分が正常な状態から変化したり、涙を目の表面に保つことができず、ドライアイが悪化してしまうことがあります。
このように花粉症があるとドライアイが悪くなったり、ドライアイあると花粉症の炎症が起こりやすくなると悪循環になる可能性が考えられます。
つまり、花粉症のシーズンはアレルギー性結膜炎だけでなく、ドライアイにも気を配る必要があります。
 
ドライアイの方の過半数に、マイボーム腺機能不全があるといわれております。
マイボーム腺とは、眼瞼(まぶた)のまつ毛の生え際よりもやや内側にある、涙が蒸発するのを防ぐ大切な働きをしてくれる油分を分泌する器官のことで、
上眼瞼に25、下眼瞼に20程度あるといわれています。
このマイボーム腺に炎症や感染により異常をきたした状態が、マイボーム腺機能不全です。
マイボーム腺機能不全は目が疲れやすい、不快感、目ヤニがたまりやすい、目がかゆい、充血しやすい、涙目になりやすい、まぶたが重い等様々な症状を引き起こします。
治療法として、まぶたを温める温庵法、まぶたを清潔にする眼瞼清拭や、マイボーム腺を圧迫して古い油の圧出を行う方法などがありました。
最新の治療として、2022年12月にレーザー治療が日本で認可されました。
アメリカでは先行して保険収載されているこのレーザー治療の器械を今週クリニックにてデモンストレーションして頂きました。
IPLという色々な波長のレーザーをまぶたに商社するのですが、興味深いのはこのレーザーはフォトフェイシャル(美肌治療)にも使えるようです。
 
今後クリニックで導入するかどうか、来週の日本眼科学会総会の講演を聞いて判断したいと思います。